日系幼稚園、母語を育てる②

海外に生活の拠点を移す時、親はまず言語について、そして学校のことを考えると思います。国によって、言語はもちろん…

海外に生活の拠点を移す時、親はまず言語について、そして学校のことを考えると思います。国によって、言語はもちろん、教育システム等も異なります。どのような選択をするのか、それは子供の将来にとっても大切なことだからです。

私も渡英前、そして渡英後もいろいろと情報収集をしながら考えましたが、選択肢はたくさんありました。まずロンドンは日系のナーサリー、幼稚園、そして日本人学校もあります。どの選択肢を取るのか、娘は渡英時はまだ2歳半でしたので、様子を見ながら考えようと思っていました。しかし、前述したような本を読んだりして、母語の大切さについて、また母語を失う危険性についても認識を深めました。

一番怖いのは、母語である日本語も中途半端、英語も中途半端、2つの言語のうち、2つとも十分に使いこなせないレベルになってしまうのが一番避けなければならないケースだと思います。言語は生きていく上で最も必要なツールと言ってもいいのではないでしょうか。会話はもちろん、学校での勉強だって、全て言語を通して学ぶのです。友達との交流、思春期の心の成長、それを認識したり表現する言語を使いこなせなければ十分に成長ができなくなってしまいます。また、学生時代の友達は一生の友達…。友人と深い話をする時に、言語能力が足りないと、友情を深めることにも影響を及ぼすかもしれません。

日本語はとても表現が豊かな言語です。虹って、日本では7色で認識されていますよね。実は国によって、4色だったり5色、6色だったりするんです。そして私が驚いたのは、日本語は500種類にも及ぶ色名があります。一方で、世界には色の種類がたった2つしかない言語もあるのです。有名なのは、パプアニューギニアのダニ族の言語で、「白(明るい色)」と「黒(暗い色)」の2色しかないと言われています。彼らは他の色を認識できないのではなく、生活する上で必要性がない、色を細かく分けて表現することは実用的でないから2色なのだそうです。ということは、例えば紫色を彼らは「黒」と表現する、ということになるんでしょうか。

言葉を知らなければそれを表現できない。何か伝えたいことがあっても、それをどのように言語化して伝えればいいのか、分からなければ相談もできないし、誰かと共有することもできません。子供にとって、それは大変に辛いことでしょう。何か嫌なことがあったとき、悪いことをしてしまったとき、ちゃんと説明して、分かってもらってから叱られたい、励ましてもらいたい、抱きしめてもらいたい…。これは子供の自然な感情ではないでしょうか。ちゃんと伝えられないもどかしさ、そしてそれが足枷となって家族や他人と距離を置いてしまったら、もっと孤立して孤独になってしまいます。そんなことは、我が子にはなってほしくありません。だからこそ、母語をきちんと育てることは幼少期において最も大切なことだと感じました。

Tags:

コメントを残す