日系幼稚園、母語を育てる①

娘はかくして日系の幼稚園のナーサリーに入園し、年中の1学期までお世話になったのです。日本で私が子供の頃に体験し…

娘はかくして日系の幼稚園のナーサリーに入園し、年中の1学期までお世話になったのです。日本で私が子供の頃に体験したのとほぼ同じように、毎日園へ通い、日本特有の季節の行事や運動会、音楽会など、たくさんの行事にも参加させて頂きました。日本語もすっかり上手になって、少しずつ発音もしっかりしてきました。なるほど、舌や口周りの筋肉が発達していないと、きちんと発音ができないのだな、としみじみ。私が英語の発音が上手くできないのは、きっと英語と日本語では使う筋肉が違います。子供の頃から英語の発音に必要な筋肉を育てていない私にとって、英語を正しく発音するのが難しいのは、ごく自然なことなのですね。妙に納得。バイリンガルは、子供の頃に両方の言語を同時進行で習得します。すなわち、どちらに必要な筋肉も同時に鍛錬されるということ。だから発音もきちんとできるのですね。

日系の幼稚園に行くと、イギリスに住んでいるのに、娘は英語に触れる機会が殆どありません。娘の世界は、ほぼ日本語で満たされていました。朝、お迎えのバスに乗り、園で過ごして3時過ぎに帰宅します。園では週に何回か英語のレッスンがあったようですが、それ以外は日本語です。帰宅してから私と2人の時も、パパが帰ってきてからも日本語です。耳にするのはスーパーへ買い物に行ったときの周囲の会話とテレビくらいでしょうか。ほぼ、英語とは無縁の生活です。

そして、私も同じく、ほぼ英語は必要ない生活になってしまいました。お友達も日本人、学校でのやりとりも日本語。イギリスに住んでいるのに、英語を話す機会はとても限られていました。買い物に行っても、スーパーなどはセルフレジですし、下手をすると全く話さない日もあるくらいでした。

私自身はイギリスにいる間に、英語を上手に話せるようになりたい、という気持ちは強かったのですが、娘に関してはあまりありませんでした。というのも、お喋りをし始めたのが遅かったので、まずは母語である日本語をしっかりと身に着けてほしいと思ったからです。外国で子育てをするに当たり、もともと言語学に興味のあった私は色々と文献を読んでみたり、先輩ママさんたちから教えていただいたりして、子供をどう教育していったらいいのか、渡英する前から考え始めました。そして出会った一冊の本。『-お子さまを帯同して海外に赴任される保護者のみなさまへ― 母語を育てるということ』(海外子女教育振興財団)という本があります。本好きの私は早速購入して読んでみました。そして、購入して良かったとすぐに思いました。外国での子育ては、思ったよりも簡単ではないのかもしれない、そう感じたからです。何よりも、『母語を失う怖さ』に関する解説は、重く受け止めなければならないと感じました。

私たちの生活は、人と人との繋がり、コミュニケーションがなければ成立しません。家庭でも、学校でも、社会でもコミュニケーションはなくてはならないものです。当然ながらコミュニケーションを取るには会話が必要です。つまり、言語能力です。その基礎が構築されるのが幼少期なのです。この最も大事な時期に、日本語と英語にどのように接するべきなのか、私なりに考えてみました。

『母語を育てるということ』 | 海外子女教育振興財団コーポレートサイト

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