娘は3歳の誕生日の目前まで、ほとんどお喋りをしませんでした。とても明るく、元気でニコニコしているけれど、話さない。「パパ、ママ、ワンワン、ブーブー」これくらいしか話さなかったのです。同じくらいの子供たちはもうどんどんお喋りをしています。身体的には成長しているし、いっぱい遊ぶし、テレビも見るし絵本を読むと喜びます。でも、喋らない。困った。そして人一倍心配性な私は、小児科の先生に相談に行きました。

ドアを開けて入室して、いすに座る。「どうされました?」「実は、もうすぐ3歳になるのに、まだほとんどお喋りしないんです。」「そうだと思った。うん、僕には分かる。そういう子供たちをたくさん見てきたから。僕の専門だから。」

びっくりしました。お喋りこそまだしないものの、とても健康ですくすく成長していると思っていたので、まさか入室してすぐ、ほぼ診察も何もしない状況でこんなにきっぱりと言い切られるとは…。まだ娘に話しかけもしていないのに、どうしてそんなことが分かるんだろう。そう思いながらも先生のお話を伺いました。先生は入室後の娘の行動を見ながら、きっとこのままだとおしゃべりしない。すぐにでもスピーチセラピスト(言語聴覚士)に相談した方がいい、とのことでした。早ければ早いほどいい。そして家庭での言語は日本語、ここはイギリス。イギリスの言語聴覚士に診せても、全て英語になってしまうから娘には意味がない。結論から言うと、娘を連れて本帰国し、日本でスピーチセラピーを受けることを勧められました。

私にとってはかなりショッキングな診断でした。まさに青天の霹靂。でも、お医者様が、そしてそういった発達に何らかの問題を抱える子供たちを専門に見てこられた小児科の先生の診断です。重く受け止めなければなりません。ショックを受けて病院を出た後、帰り道でお友達に遭遇。真っ直ぐ帰宅せずにお友達に聞いてもらえたので、少し落ち着きました。

帰宅してからどうしたものかと思案しましたが、もう一件別の日系の病院へ行って、そこの小児科の先生の意見も聞いてみようと。悩むのはそれからにしようと決め、早速診察へ。結果、まったく違う診断が下りました。「問題ない。口の構造も問題ないし、明るいし話しかけたら反応がある。ずっとママと二人で過ごしてきたために、話す必要性があまりないから話さないだけで、きっとすぐに話し始める。でも、ママが心配から早く解放されたいなら、日系の幼稚園に入園させたら?すぐに話すと思うよ。」というのが先生の意見でした。う~ん、まったく逆のことを言われました。

夫と相談して、いや、相談するよりも前に、私としては、娘にしっかり向き合って、口の構造を確かめたり、話しかけてくださったり、おもちゃを渡して反応を見てくれたり、そういった診察をしてくださった後者の先生の診断の方を信頼しようと思っていました。そしてやはりまずは母語である日本語をしっかり身に着けてほしかったので、迷うことなく通園できる圏内の日系の幼稚園を調べて申し込みました。Waitingになりましたが、1週間ほど待って、無事に入園できることとなり、9月の下旬から娘は日系幼稚園のナーサリーに通うことになったのです。②へつづく

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